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「す、好きです…!
付き合ってください!」
頬を真っ赤に染め、理駆に向かって恥ずかしそうに言う女の子。
理駆は少しうろたえたが、全然知らない女の子だったので、なるべく傷付けないように断った。
それでも、女の子は一滴だけ涙を流し、理駆に頭を下げて走っていった。
傷付けてしまったのか、と理駆は自己嫌悪に陥る。
そして、髪の毛をばりばりと引っ掻く。
それは、自分の行動を悔いたときにやる、理駆の癖。
明るいさらさらな茶色の髪は、少しだけ整いを乱した。
理駆は一回溜め息をつき、家の鍵を開けて中に入っていった。
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