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逢氷は洗面台で顔を何回か洗い、顔を左右に激しく振った。
理駆の着替えてるところと鉢合わせたのだ、動揺するに決まっている。
逢氷は洗面台をぐるりと見渡し、ここが理駆のいる空間なんだと吟味した。
逢氷は動悸を訴える心臓を押さえると、自分の紅潮した頬に触れる。
「熱い…」
逢氷は体温が常時低い方で、頬が熱さを帯びることは稀だ。
「あぁ…もう…。
理駆のせいだよ…」
逢氷はやり場のない羞恥を言葉で理駆にぶつける。
いつ理駆の部屋に入ったらいいのか、逢氷はタイミングを掴むことが出来ない。
逢氷は理駆を襲わないように、必死で理性で抑えているのだ。
だが、逢氷はそれを今日解禁する。
そのために、理駆の家に泊まると決めたのだから。
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