好き、縛りたい位に

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「はっ…!」 理駆の目が覚めると、クラスメイト達は驚いた顔で理駆を見ていた。 理駆は夢だったのか、と意識を取り戻し始め、クラスメイト達の視線を振り切るように机に突っ伏す。 そこで丁度授業終了のチャイムが鳴った。 「笠垣、夢の世界はどうだった?」 教科担任が理駆をにっこりとした顔で見ながら問う。 理駆はバツが悪そうに髪の毛を弄りながら、笑って誤魔化した。 「理駆~!雅也くんは悲しいよ!」 「何がだよ!」 「だって君の目覚めの一言が『逢氷!』なんだもん!」 雅也はおどけた声のトーンで理駆の真似をする。 理駆はすごく恥ずかしくなり、雅也の頭を力強く叩いた。 「いってぇ!!」 「うるせぇ!家に帰れ!」 理駆はクラスから逃げるようにして出ていった。
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