好き、縛りたい位に

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逢氷は一瞬混乱に顔を歪めたが、すぐに現状を理解し、理駆の胸に両手を当てる。 そして、理駆を自分から引き剥がした。 理駆は何をされたのか分からず、ただ逢氷を茫然とした目で見るだけだ。 「…駄目だよ…。僕に期待させないでよ……」 逢氷は儚くそう言うと、理駆から離れようとした。 「…違う!」 理駆は逢氷の腕を強く掴み、声量の限界まで叫んだ。 逢氷は理駆の行動に驚き、目を見開いている。 「…違う…違うんだよ逢氷…。俺にはお前が必要なんだ…。 だから、逢氷の行動全てを受け入れる。 ………だから、逢氷……」 理駆が全てを言い終わる前に、逢氷は理駆を抱き寄せた。 理駆は涙を一滴落とし、逢氷の背中に手を回した。 「…好き、理駆…」 そう言った逢氷の声が、理駆には震えていたように聞こえた。
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