好き、縛りたい位に

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理駆と逢氷は、今逢氷の部屋にいる。 そして、逢氷は自分の学ランのボタンに手を伸ばす。 「…理駆も脱ぎなよ」 逢氷の促しに驚いた理駆は、逢氷の顔をじっと見た。 それに気付いた逢氷は、顔を片手で少し覆ってくすくすと笑った。 「理駆も服が濡れてるでしょ?僕の服を貸してあげるから、理駆も着替えたらいいよ」 「あ……そ…」 理駆は自分の行動を少し恥じ、あからさまにそっぽを向いた。 「…何、期待してたの?」 逢氷の台詞に、理駆の恥ずかしさが更に増進し、思い切り叫んだ。 「別に期待なんかしてない! てゆーか逢氷の服なんて入らないよ!!」 逢氷はまだくすくすと小さく笑って、理駆の方に向き直って答えた。 「大丈夫だよ。僕の服は全部Lサイズだから。親が長く着れるようにとか言って、Sサイズの僕にLサイズを買ってくるんだよね」 逢氷は上半身裸になって、部屋の箪笥を漁り始めた。 「…はい、理駆」 逢氷は理駆に、緑色がベースの英文がプリントされた服を手渡した。 「…あ、ズボンはMなんだけど、理駆大丈夫?」 逢氷は箪笥を漁りながら理駆に問う。 「…え、あぁ…。俺Mサイズだから丁度いいと思うよ」 「じゃあ、はい」 逢氷は理駆にジーンズを渡して、自分の着替えに戻った。 逢氷に手渡された服を見て、理駆は着替えに取り掛かり始めた。
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