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「なんで…っ」
「ねぇ、どうして約束破ったの?
沖野 雅也とは必要最低限話さないでって言ったじゃん」
逢氷の目に怒りが籠る。
逢氷はソファに理駆を押し倒し、ズボンのポケットから何かを取り出した。
理駆はそれを見て驚愕する。
逢氷が持っていたのは、ナイフだったのだ。
法律にはギリギリ触れないくらいの長さのナイフ。
逢氷のナイフを持つ手に力が籠る。
「…ねぇ、約束守れないなら…雅也を殺しちゃうよ?」
逢氷の目に、嘘なんて感じられない。
それは鈍感な理駆でさえも感じ取れた。
「わ、分かった…!
だから……人を殺すなんて、言うなっ!」
逢氷はその姿を見て、ナイフをポケットに仕舞った。
「…ごめんね、理駆。
理駆、僕のこと嫌いになったよね……。
…今までありがとう。
楽しかったよ……」
逢氷は言い終えると、ナイフを自分の心臓部分に一突きした。
理駆に飛び掛かる血飛沫。
逢氷は理駆の上に倒れ込んだ。
理駆は恐怖に我慢出来ず、口を大きく開けて叫ぶ。
「あいひぃいいいぃいい!!!!」
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