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☆3rd Trap☆
翌日からは当然ながら、先輩のいない日が始まった。電話応対、接客、パソコン入力…小さな会社だから、自分の仕事以外の雑用も熟さなくてはいけない。
あたしの部署は部長以下5人。でも、昼間は殆ど外向に行ってしまうので、部長と二人っきりの時間が以外と多い。
「ちょっとは休憩しろや」
急に声をかけられて振り向くと、笑顔で部長が後ろに立っていた。
「はぃ…あ、コーヒー入れますね」
いそいそと給湯室に行き、コーヒーを持って来た。ミルク少なめ、砂糖多め…先輩に教わった分量を思い出し、入れたコーヒー。
今まで勤めた所でも、お茶出しはあった。けど、それは仕事の延長みたいな感じで、機械的だった。でも、今は違う。飲む人の事を考えて作っている…お茶出しという小さな行為だけど、なんか『特別』を感じていた。
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