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「実は話さないといけないことがあります。正直お二人には衝撃的な事です。心がお決まりにならなかったら、日を改めてお話する事もできます。どういたしますか?」
二人は目を見開いた。今目の前にいるいつの間にか眠っているこの我が子に何かあるのか。心配だけがどんどん積もっていく。
二人は顔を見合わせ、母親が父親に小さくうなづいた。
決心したのか村永先生の方を向き直ると父親が口を開いた。
「村永先生、お願いします。私も妻も覚悟はできています。」
父親と母親の真っすぐな目線が村永先生に向けられていた。
村永先生はわかりました。といい、看護師に「旦那さんに椅子をお出しして。」と指示し、父親をベットの脇に置かれた椅子に座らせ、保育器に入れるため、赤ちゃんを分娩室の隣の部屋に移し、看護師を部屋から出させた。
分娩室には赤ちゃんの両親と村永先生しかいない空間になっていた。
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