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酷く薄汚れてしまったシンデレラは、ふらつく体を支えながらゆっくりと来た道を戻っていました。
ヒラリと一枚の新聞が舞います。
その新聞には“王子の婚約”のことについてでかでかと書かれていました。
その新聞を手に取ってシンデレラ言葉を失いました。
そこに写っていたのは、そこに居る筈もない自分の姿だったのです。
「…鏡……」
シンデレラは確信を持ってそう呟きました。
薄い紙の上で幸せそうに笑っているそれは、紛れもない自分の姿で、自分に優しかった鏡の姿でした。
シンデレラは小さく息を漏らし、それを握り潰しました。
「あいつ…この為に…。」
シンデレラは止めていた歩みを進め始めます。
全ては復讐の為に…
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