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カプセルまでの距離約二メートル。
そこで俺はやっと、『何が入っているのか』、『誰が呼んでいるのか』が理解できた。
紫のロングヘアにはヘッドドレス。
心母さんと同等、いやそれ以上くらいのスタイル、そしてメイド服。
首元に繋がれている数多のケーブル。
そんな女の子が眠ったように安置されていた訳で。
---お願いです、私を起動してください。
「いや、ちょっと待て。聞きたいことは山ほどあるが、起動というワードからするとアンタはロボか何かなのか?」
---私は数年前に開発、完成されていた万能型機巧人形(マルチマシナリー)です。しかし幾年経っても起動してもらえず、一年ほど前から念波を飛ばしていた所にアナタに気づいてもらえたという訳です。
「機巧人形(マシナリー)か…戦闘型機巧人形(バトルマシナリー)なら俺も知ってるんだがな」
今の世界には戦争の主力として、二つの存在がある。
強いスキルを持つ人間ともう一つ、「戦闘型機巧人形(バトルマシナリー)」だ。
戦闘に特化したロボットで、搭載された重火器の他にもある程度のスキルも扱えるらしい。機械もスキルが使えるとは…世も末だ。
それでも戦闘型機巧人形は兵器の形をしているのがほとんどだ。このメイドみたく人間みたいな形はしていない。
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