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「…そう聞かれてみても、こちとら起動すること前提で話が進んでますから。
理由を求められても困るというかなんというか。」
---でも私は人の形をした機巧人形…異端の存在ですよ?
「ああ、その点なら大丈夫。
…俺も『異端』、無能力だから。異端同士なら別に良いだろ?」
まあこれは俺の予想だが、こいつは制作者達によってほったらかしになっていたと思う。
制作者も途中で怖くなったのだろう…こんな限りなく人に近い機巧人形を造るのが。
普通の人というのは未知の領域に関しては期待と同じくらいの恐怖を持つ。
きっと完成した後の暴走や騒動を予想してしまったんだろうな、その時からこいつへの何か『得体の知れない恐怖』が膨らんでいったんだろう。
まあ俺は恐怖とかそんなことしったこっちゃないがね。
そんな感情一つで異端の存在として扱い、独りぼっちにしていいハズはないしな。
「…俺も独りぼっちの寂しさはよく分かる。だから待ってろ、すぐに助けてやる。」
おし、心は決まった!
一つ大人の階段を昇ってやりますか!!
そして俺は近づき…
彼女の唇へ、自分の顔を近づけた。
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