2nd skill:従者(アリス)

2/11
前へ
/70ページ
次へ
「…ん……ぷはぁっ!!」 十秒くらいの深いキスを終え、俺は顔を離した。 と同時に、だんだん顔が熱くなってきた。 うわ~、成り行きとはいえ女性(正確には機械)とキスをしてしまった…。やばい、恥ずかしい!! てか何この子、口の中まで普通の人間のそれと同じなのですが!? そのお陰で十秒中七秒は本能のままにやっちゃってました……なんだか生きててすいません。 ---ありがとうございます。少々起動に時間がかかるので暫しの間お待ちいただけますか? 「あれ、起動はしたから俺の役目は済んだんだけど?」 ---そうなのですが…その…。 「あ~。…分かった、一人にはしないからゆっくりやりな」 そういやこいつはずっと独りぼっちだったっけ。 仕方ない、もうちょい一緒に居ますか。 ---ありがとうございます。ところであの…不躾ではありますが、私の話を聞いてもらえますか? 「ああ、話してみな」 まあ数年独りだったんだ、話したいこともたくさんあるのだろう。 だったら最後まで付き合おうじゃないの。 ---私はずっと独りでした。ずっと呼び掛けていましたが…誰も気づかず、孤独な年月を過ごしてきて、このままずっと朽ちるまで独りのままと諦めかけてました。 しかし今日、アナタと逢えました。アナタが発した『助けてやる』の言葉を聞いて、本当に嬉しかったです。 同時に始めて、『寂しい』以外にも『幸せ』という感情を知ることが出来ました。 そして思いました、この幸せは、アナタの側にいて始めて生まれる感情だと。 私はもっと幸せを感じていたい、アナタと一緒にいたい、アナタの役に立ちたい。 「だからお願いします。アナタのそばにいさせてもらえないでしょうか?」
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加