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ここまで言われちゃ、断れるものも断れないな。
「んじゃ行くか、アリス」
「…アリス?」
「お前の名だ、これからずっと一緒にいるのに『お前』と呼ぶのは嫌だろ?」
「!!
…よろしくお願いいたします、マスター!!」
今度はアナタからマスターになってるし。安定しないなあ俺の呼び方、まあいいか。
さて、家族にどう説明するかな……ってあれ?何か忘れてる気が。
「そうだ!どうやって家に帰るんだ!?」
そうだよ、アリスに逢えたのは俺が散歩で迷ってたからで。
まだ迷っている最中じゃないですか、俺!!
「帰る、とはマスターの家へですか?」
「そうだよ、まだ俺は迷ってる最中なの!」
「では私にお任せを、私の手を握って下さい。」
策でもあるのかい、アリスちゃん?この絶望的状況を切り抜ける策が。
とりあえず言われるがままにアリスの手を握ってみたが、人の手と何ら変わりない感触だ…ホントに機巧人形(マシナリー)?
「では向かいましょう」
「どこに…ってここは俺の家だね。
…………ええええええ!!?」
何とアリス、俺の家まで瞬間移動しやがった。流石につっこみどころが多すぎる。
アリスは万能型機巧人形だから、戦闘型みたくスキルを積んであるのだろうか…?
それよりも、家族にどう説明するかが先だな。
息子が家に帰ってきて、メイドを拾ってきたら明らかにおかしい。
やっぱり内緒で俺の部屋に入れ「先にお邪魔しますね、マスター」って何してんのこ・の・子・は!!
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