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…ピチャン…ピチャン……
コンクリの床に決まったリズムで落ちてくる水。窓から僅かに入ってくる日の光。
今の俺には全てが恐怖の象徴に見えるね。
今の状態を分かりやすく形容するなら、裏ではない静丘だな。
やばい、もうそのまんまホラーだわ。
しかしよく見ると寂れているとはいえ、まだこの工場はつい最近まで稼働していた痕跡があるな。何だか不安になってきた、俺入っていいのだろうか?
---私は奥の大きい扉の先に居ます。お願いです、早く迎えに来てください。
「おいおい止めてくれよ、迎えに行ったら肉塊に喰われるとかいうオチは」
---大丈夫です、何なら私のことを食べてもらっても結構ですので。
「生憎、出逢って間もない女を襲う度胸はないんでね」
そんな会話をしつつ、俺は奥にあった両開きのドアを開けた。
というか、これのどこが近いんだか。軽いアドベンチャー気分だぞ。
扉を開けるとそこは真っ暗だった。いや、光るものがポツンと寂しく安置されていた。
少し見てみると何かを中に入れる大きなカプセルのようだ。
---その光る容器に近づいてください。
おいおい、近づいて触れたら敵登場とか無いよな…?
そう思って警戒しながら接近してみる。
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