第一章

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「お兄ちゃ~ん! 入学式から遅刻する~!! 学校まで送って~~!」  朝から慌ただしく、真新しい制服に袖を通しながら、リビングに出てきた。 「ムリッ! てか、やだ!! お袋達も行くんだろ?」 「お母さん達は、9時半からだから早く行かなくてもいいんだってー。 第一、………いいのかな~。舞も一緒に遅刻するよ?」 「ナニっ!? …………っ自分が遅れたくせに、他人まで巻き添えか!?」  先ほどから玄関に人の気配がしている。 俺達の会話を聞いて、クスクスと笑っているような気がするのだが。 .
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