病みの闇

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そっと優しく、踊子の額を撫でる由貴の手。 「踊子。おやすみ」 数分後に静かな寝息。 性格が真逆な姉妹の、唯一の共通点は寝つきの良さ。 「寝顔は幾つになっても可愛いもんだ」 踊子を残して立ち上がり、庭に向かう由貴。 「夜須美、奈保留、八尋。帰って来たんだろう?」 「はい。先程戻りました」 ひらり、と現れた妖艶な美女。 夜須美(ヤスミ)。 闇の眷属『蜘蛛』。 「奴らの護りの堅さ、餓鬼にしちゃ上出来です」 いかにも軽薄そうな、金髪の少年。 奈保留(ナオル)。 闇の眷属『邪鬼』。 「もうそろそろ、叩きますか?」 背が高く知的で端正な容姿だが、威圧的で冷酷そうな眼光。 八尋(ヤヒロ)。 闇の眷属『大蛇』。 「いや、まだ戦力的に五分五分だ。様子を見つつ、もう少し遊んでやろう」 「それでしたら、使ってみたい『玩具』が有るのですが宜しいですか?」 にいーっと笑って、夜須美が懐から出した物。それは古来より伝わる神器の一つ。 「ほお…。そういった面白い物は、好きな時に使いなさい」 「了解しました。有難うございます」
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