加護の籠

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居候の身で、しかも相手は二つ年上。 どれだけ理不尽に感じても、面と向かって逆らう訳にいかず。 容姿の所為か、何処に居ても何かと目立つ存在の龍司。 同い歳の女の子達に羨ましがられているが、なるべく接触を避けている舞姫。 「まあ、一生居候じゃないし…」 気を取り直し、力一杯食事と入浴を済ませ、一時間もしない内に舞姫は夢の中。 「…寝つきの良い奴で助かった」 ほっとしたように呟く龍司。 剣術の自主練を済ませた後、彼が向かったのは境内。 手には少し変わった形の剣。 「今夜も宜しく」 木陰からひょっこり現れた少年。黒髪にくっきりとした黒い瞳。爽やかな美少年。 遥(ハルカ)。 龍司の幼馴染み。彼の手には装飾が施された鋼弓。 「お待たせです。本日も宜しくです」 五十鈴(イスズ)。 若干遅れて現れた少女。やや巻き毛でお団子。愛らしい目鼻立ち。手には鋼の輪。舞姫とは同い歳。 「遥、五十鈴。今夜も頼むぞ」 「了解」 「了解しました」
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