加護の籠

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舞姫が宇津神社に身を寄せた日。 誰でも視えるものではない『蟲』と呼ばれる、妖(アヤカシ)の類が夜中に飛来し始めたのは一週間ほど前。 夜中に決まった時間帯の襲撃。『術者』による遠隔操作のようなもの。 日に日に増える蟲の量。 それが意味するのは術者の霊力が、少しずつだが確実に強まっている事。 見えぬ姿。ただ一つ明らかなのは、術者の狙いが舞姫。 「(今はまだ、籠から出せない…)」 舞姫は三人にとって、誰に命令されたのでも誰かに頼まれたのでもなく、自分達の意志で決めた護らなければならない存在。
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