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夏子が3歳になる頃、夏子の家族は施設のドアを叩いた。
「ごめんなさいっ…もう限界で……」
夏子の母である康恵は決して冷徹な人ではなく、むしろ愛にあふれた人間であった。
しかし恵まれた環境に育った康恵にとって夏子の異常は受け入れがたかったのだ。
「…わかりました。引き取らせていただきます。」
施設の人も事情を聞いて驚きを隠せなかったが母親似の愛らしい夏子を見て可哀想という思いが勝っていた。
当の夏子は久しぶりに外へ出た高揚感でご機嫌に笑っていた。
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