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運が良ければ胡蝶蘭や昔の仲間と会って感情を取り戻す
そんな感じ?
生憎、昔の知り合いと会うつもりなんてない
もう私にはそんな権利すらない
真っ赤に染められた手のひらで触れることは許されない
真っ白を赤く染めるなんてことはしたくない
だけど
「いいよ」
そう答えた
「でも前の学校には戻らない」
あそこには胡蝶蘭がいるから
「それとね。もう1つ言いたいことがあって来た」
こっちが今日の話のメイン
「私がこの町に帰ってきたこと、誰にも言わないで。親族、知り合い……もちろん胡蝶蘭にも」
「言ったら?」
恍雅は恐る恐るそう聞いた
なぜ妹に恐れているのか
それは白亜の表情だった
冷たく笑っている
冷笑
背筋を凍らせるような笑みに思わず身震いする
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