境界線

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「アメリカ」 「アメリカ!?何で……」 チリンッと鈴の音が鳴ったのと同時に楸の唇前に白亜の人差し指が現れた 「それ以上の詮索は禁止」 ここまでが私と彼等の境界線 上目遣いのその瞳にはまるで生気がない 「白亜……?」 「家族と楸さんにしか私がここに帰って来たことは言ってないから。胡蝶蘭にも知り合いにも、言わないで。私が帰って来たこと」 「白亜、変わったな……もしかしてあの事、まだ引きずってるのか?あれは「白亜のせいじゃない。そう言いたい?それ以上口開いたら」 あの事のおかげで私は強くなれた 感謝してる だからあの事をおこしてくれたあいつらに私は感謝と言う名の復讐をするよ その邪魔をするというなら私は許さない 「誰だって容赦しない」 重く鎖のようにその言葉が楸の身体に巻き付いた
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