境界線

34/40

756人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「ごめん、呉羽!聞き取れなかった。もう1回言って?」 何を聞いているのだろう 聞かなくても分かるはずなのに 『こ』に続く言葉 それは 「え?血竜と胡蝶蘭の抗争のこと?」 「うん」 「んーと、血竜が卑怯な手を使って……」 「その卑怯な手って?」 「血竜がこ「呉羽」 またもや呉羽の言葉が遮られる しかし白亜にはそんなこと関係なかった そのことよりも大きく響いてしまったから もう聞けないと思った いや、聞きたくないとさえ思った声が聞こえてしまったから 幻聴 そう考えたかった だけどその考えは甘く、すぐに打ち砕かれた 「おはよー!伊和(イオ)。相変わらず遅いね~」 伊和……? 私の知ってる伊和じゃない……よね?
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

756人が本棚に入れています
本棚に追加