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「ごめん、呉羽!聞き取れなかった。もう1回言って?」
何を聞いているのだろう
聞かなくても分かるはずなのに
『こ』に続く言葉
それは
「え?血竜と胡蝶蘭の抗争のこと?」
「うん」
「んーと、血竜が卑怯な手を使って……」
「その卑怯な手って?」
「血竜がこ「呉羽」
またもや呉羽の言葉が遮られる
しかし白亜にはそんなこと関係なかった
そのことよりも大きく響いてしまったから
もう聞けないと思った
いや、聞きたくないとさえ思った声が聞こえてしまったから
幻聴
そう考えたかった
だけどその考えは甘く、すぐに打ち砕かれた
「おはよー!伊和(イオ)。相変わらず遅いね~」
伊和……?
私の知ってる伊和じゃない……よね?
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