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「嫌味なくらい星が輝いてる」
空を見上げて眉を潜める白亜に純は呆れたように笑った
「そりゃあ星は輝くことが仕事だからなぁ」
「仕事ね……」
フードの端をギュッと握り締めながら純の改造された赤いバイクに跨がった
純はそれを合図にバイクを走らせる
冷たい風が頬を通り抜けてゆく
「今日の仕事は火是(ヒゼ)組の傘下を潰す。抵抗すんなら殺していい。組頭は殺すなよ?依頼人、金古(カネコ)組傘下に連れてくから」
「ん」
たった一音
それは仕事時、最低限喋らない黒猫の了解だった
「派手に動きすぎんなよ?サツに見つかったら面倒なことになる」
「ん」
光に溢れた繁華街を抜けると一気に暗くなる町
2人は闇に覆われた事務所を見てニヤッと笑った
そして一歩踏み出そうとした白亜を純が制す
白亜は首を傾げながら純を見た
「忘れ物」
そういって渡されたのは黒い革製の手袋
「ありがと」
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