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「おい」
明らかにこちらへ向かって放たれる強い殺気に気付き足を止める
そして少しだけ身体を胡蝶蘭に向けた
「何」
「お前、どこかの族に入ってんのか?」
昔、胡蝶蘭の総長してました
何て言えない
じゃあ族は入ってないけど殺し屋に属してます?
はっ……
胡蝶蘭も殺し屋を恨んでる
そんな殺し屋の仲間なんて言ったらどうなるんだろうね?
自嘲気味に笑う
「どこにも入ってない」
「じゃあさ!胡蝶蘭入らない!?君、強いし!」
太一の純真無垢な笑顔に思わず胸がズキリと痛む
ごめん
ごめんなさい
こんなに弱い総長で
皆に顔向けなんて出来ない
「ごめん」
たった一言それだけ告げて踵を返した
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