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入って1番に目に入ったのは楸
というか、それ以外人影はなかった
ママは……あそこか
黒いカーテンの後ろにいる気配を感じとる
「理事長。今日は取引について……少しお話ししようと思いまして」
「取引……?」
「ええ。互いの利益になるお話しです」
薄く冷笑を浮かべながらカーテンの奥を見つめた
「その前に、あちらにいる方を帰していただけませんか?」
楸は白亜の見つめる先を見て深くため息をつく
私が気付かないとでも思った?
「夜霧さん。お帰りください」
他人行儀な白亜の言葉につられるように出てきたママの瞳には涙が薄く膜を張っていた
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