取引

11/40

756人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「美架さん……」 楸の声にはっと我に返った美架は慌ててとり作ったような笑みを2人に向けた 「わ、分かりました。楸さん、この話しはまた後日で……それじゃあ、失礼します。楸さん、は……っ一之宮さん」 パタパタと駆けて行くママの後ろ姿を表情を変えず見送った ママは…… 私のこと、白亜って言おうとした 気付いたんだね 私が刺すようにママを見ていたことを この学校で『白亜』って単語は禁句だよ 「さぁ、楸さん。取引でも始めましょうか?」 扉から目を離し、後ろにいる楸の方を見て、ニコリと微笑んだ 「白亜」 笑っていた白亜の表情が固まる そしてすぐに無表情になった 「約束、破る気ですか?」
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

756人が本棚に入れています
本棚に追加