756人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「美架さん……」
楸の声にはっと我に返った美架は慌ててとり作ったような笑みを2人に向けた
「わ、分かりました。楸さん、この話しはまた後日で……それじゃあ、失礼します。楸さん、は……っ一之宮さん」
パタパタと駆けて行くママの後ろ姿を表情を変えず見送った
ママは……
私のこと、白亜って言おうとした
気付いたんだね
私が刺すようにママを見ていたことを
この学校で『白亜』って単語は禁句だよ
「さぁ、楸さん。取引でも始めましょうか?」
扉から目を離し、後ろにいる楸の方を見て、ニコリと微笑んだ
「白亜」
笑っていた白亜の表情が固まる
そしてすぐに無表情になった
「約束、破る気ですか?」
最初のコメントを投稿しよう!