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「っ……!?」
息を呑む声が耳に響く
白亜は自嘲気味に目線を上げる
そこには硬直している楸の姿があった
「どーしたんですか?楸さん」
いつもの声で
いつもの口調で
楸さん、そう呼んだ
「白亜!?」
「そーですよ?何を慌てているんですか?」
クスッと笑いながら口元に手を当てた
「何で白亜がっ!?」
「何って……1年前、勝手に辞めたことを詫びようとここへ来たんです。そしたらここに寝ている朝風理事長がいたんですよ」
わざとらしく1年前を強調する
「その……姿でか?」
黒に包まれた容姿に疑問を持ったんだろう
フードを持っていた楸の手がゆっくりと離れていった
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