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「待て、白亜!」
楸の横を通り過ぎようとした白亜をまたしても止める
その手を見た白亜は短いため息をつき鋭く楸を睨み付けた
「楸さん。あなたは私の何のつもりですか?あなたは私にとってパパの、いえ父の弟。そして通っている学校の理事長。私の中では楸さんはそれ以上、それ以下の存在でもありません」
突如、胸が鋭利な刃物で抉られるような感覚に陥った
容赦なく浴びさせられるその視線に疎外感というものを感じる
こんなに近くにいるのに手を伸ばすことさえ出来ない
白亜の絶対領域とでも言うべきか
「私を止める権利は誰にもないんですよ」
とどめを射されるように言われたその言葉は、まっすぐ楸を貫いた
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