水の皇帝【アクアエンペラー】

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「……」 「……」 食卓では会話一つ無く食事を、している。 ーー……空気が重い… だが、そんな空気の中浩介が会話を切り出した。 「西条さんと優の経緯はだいたい分かった。だが、バレるのも時間のうちだぞ?」 「それは分かってるけど…。でもどうすればいいんだ?」 「もういっその事バラしちゃえば?」 「それは無理だ!シャレにならない!」 ーー殺される…クラスの奴らに… そう考えただけで優は体がブルっと震えた。 「にしても驚いたなあ。まさか西条さんが悪魔狩りだったなんて」 「そう?私よりも安藤が悪魔狩りだったことの方が驚いたけどね」 浩介の人当たりの良さもあるが二人はあっという間に仲良くなっていた。 「西条さんのディアブロアーマーは何?」 「私は長剣と小太刀の二刀流なの。安藤は?」 「俺?俺は靴だよ」 「靴?」 「ああ。ただの靴じゃないんだぜ?まあ楽しみにしててよ」 「?…う…うん」 「ウォォォォオォォォォォ」 悪魔の遠吠えが響いた。 「……今日もか」 「最近やけに多くね?」 「だな。行くぞ、浩介」 そう言って席を立つ優と浩介。 「優、気をつけてらっしゃい」 「ああ。行って来るよ、母さん」 「ま、待って!私も行くわ!」 刀を腰にさし、美歌は二人の後を追った。
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