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「お待たせ~」
浩介は手を振りながら美歌の方へと戻って行く。
「安藤って案外強いのね」
「お?惚れちゃった?ダメだよ~。俺ってば案外軽い男だし」
「別に惚れてない」
きっぱりと言う美歌に浩介は少し涙目になってしまった。
「そ…そんな~…」
「バカかお前は」
後ろから優がやってきて浩介にツッコミを入れる。
「優、大丈夫?」
美歌が心配そうな顔をするが優美歌を安心させるために笑みを浮かべて
「大丈夫だ。美歌が無事で良かったよ」
とだけ言った。
「じゃ、一旦優の家に帰りますか」
浩介の提案に優と美歌は頷き3人並んで優の家へと歩き出した。
ーー…そうだ。俺はこんな時を望んでいたんだ。
ふと優は心中で呟く。
ーーこんな誰かといることに喜びを感じる。そんな時を。
ーーだから、その時のためなら俺はどんなことでもしてやる。
固く決意したが心の中でのことなため、誰もその決意に気づくことはなかった。
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