深淵の覇者

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「おはよー」 優が教室に入ると何人かの男子が群がって何かを見ていた。 「何見てんだ?」 「おっ。天馬じゃん。これ見ろよ」 群がっていた男子の一人が優にパソコンの画面を見せる。 「………悪魔の間?」 画面には大きく悪魔の間と明朝体の文字が映し出されていた。 「悪魔に関する情報が掲載されてるサイトなんだ。ほら、ここ見ろよ」 そう言って指差した場所には最新情報が映し出されていた。 「今、なんか魔界の方からとんでもねえ悪魔が来たらしいぜ?」 「とんでもねえ悪魔……というと?」 「さあ?俺詳しくねえから分かんないわ」 「なんじゃそりゃ……」 優は少し苦笑しながら言った。 すると別の男子も会話に混ざってきた。 「でも悪魔狩りがいるんだからなんとかなるだろ?」 「ま、それもそうだな。でも悪魔狩りの奴とは俺、関わりたくねえわ」 「それ分かる!だってあいつら倒した悪魔の返り血浴びてるような連中なんだろ?触りたくもねえよな。お前もそう思うだろ、天馬?」 優は少し俯いてしばらく黙り込んだが「同感」とだけ答えた。 自分の席に着くと後ろに浩介がいた。 「俺らが悪魔狩りって知ったら態度変わるんだろうな…」 少しさみしげに言った浩介はどこか悲しそうだった。 「仕方ねえさ」 優はそれだけ言って窓の方を見た。 ーーそれにしてもとんでもない悪魔……か… ーー………まさかな… 優の頭の中で一つの予想が生まれたがすぐに打ち消した。
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