深淵の覇者

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「人間だと?笑わせるな」 優のトライデントを腕で弾き返し、人の形をした悪魔は距離をとった。 そしてさらに言葉を紡ぐ。 「私は深淵の覇者の一人。名はメロウス。水の皇帝よ。私と戦え」 「……まさか最近噂になってたとんでもない悪魔ってお前のことか?」 「さあな。だが見せしめに何人かの人間を殺して吊るしはしたがな」 ゾクッ ーーえ?何これ…? ーー殺気?まさか優の? メロウスの気配とは別に背筋に寒気が走るようなものを感じ、美歌は優の方を見た。 そこには俯いてはいるが確かに先ほど感じた殺気を放っている優がいた。 「……覚悟できてんだろうな?」 トライデントを片手を軸にして振り回しながら優は低い声で言った。 「もちろんだ」 そう言うメロウスは腕に先程と同じものを纏わせた。 「「行くぞ」」 二人の声が重なりそれと同時に二人が飛び出した。 「海王斬!」 「グラビティホールド」 トライデントとメロウスの拳がぶつかった瞬間爆発が巻き起こった。 「優!」 ミカの叫び声が響いた。image=421389294.jpg
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