深淵の覇者

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爆風と煙の中最初に出て来たのは優だった。 後ろに飛び退くような体勢で飛んできたため後ろの美歌と浩介には気づいてないようだった。 「優!大丈夫なの?」 「美歌?なんでここにいるんだ?ってか何してんだ?」 「知らないわよ!何故か体が言うことを聞かないのよ!」 「はあ?そんなわけねえだろ」 「残念ながらその女の言ってることは正しい」 土煙が晴れ、中に片膝をついているメロウスがいた。 「中々やるな。流石は水の皇帝といったところか」 「褒めてるつもりか?お前まだ本気だしてないだろ?」 「お前が本気でこないからだ」 二人は再び構える。 「ならもう手は抜かねえぞ」 「それならこちらも本気で行くとしよう」 「はあっ!」 優は先制攻撃にでたが、メロウスはトライデントを躱し優と距離を取る。 「一つ聞きたい。美歌が動けないのはお前のせいか?」 「ああ。私の能力の一つであるエマ.グラビティで体を重力操作で動けなくした」 「そうか。ならお前を倒せば美歌の拘束は解けるんだな」 普段とは違う構えをとる優。 「簡単な話で助かるよ」 言い切ると同時に優は飛び出していた。 「海楼波!」 水を纏っていたトライデントを右足を軸に振り回し、水の波動を放った。 だがーーーー 「神落とし【グラビトンドロップ】」 メロウスの手から放たれた見えない何かは海楼波を消滅させ、優を地面に叩きつけた。 「ぐあっ………」 「優!!」 動けない体を必死に動かそうとしながら美歌は叫んだ。 倒れた優にメロウスが近づき優の頭に足を置いた。 「弱いな……こんなものが水の皇帝か?」 「くそっ…!」 ーーこいつ…強い…! 優の頭に先程と同じ攻撃をくらわせようとメロウスは拳を空高くへと持ち上げた。 ーー…!!マズイ!! 地面に倒れたままの優はトライデントに手を伸ばすがあと少しのところで届かない。 「死ね」 「ちくしょう…!」 「させるかよ」 そういって現れたのは大気を焼き尽くすくらいの大きな炎を纏った浩介だった。image=421352790.jpg
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