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「浩介!」
「お待たせ~。こいつの重力操作ってやつにかからなかったのは良かったけど助けに入る隙がなくてさ」
相変わらずののんびりとした口調で浩介はこちらを見ずに言う。
「んじゃ、行くぜ。鬼炎蟷螂(きえんとうろう)」
メロウスの後ろに回り、浩介は勢いよくメロウスを蹴り上げた。
「まだまだ」
そして蹴り上げた足を勢いを利用して踵落としをくらわす。
浩介の攻撃はメロウスの頭をとらえて地面へとめり込ませた。
「ふーっ」
大きく息を吐き優の方へと歩き出す。
重力による拘束が解けたのか、優はすでに立ち上がっていた。
「あいつは?」
「あそこ。でもこんなんでくたばる奴じゃないだろ」
ぽりぽりと頭を掻きながら浩介は言った。
「属性は炎か」
気がつくとメロウスは浩介の背後に立っていた。
「なっ…!」
「威力は中々だな。だがスピードに欠ける」
浩介足を掴まれ遠心力を利用して投げ飛ばされた。
「ぐあっ………」
建物の壁にめり込んだ浩介は苦しい声を漏らしてその場に倒れた。
「浩介!」
「他人の心配をしてる場合か?」
メロウスは優の懐へと入り込み、手に重力の力を纏わせる。
「神殺し【グラビティゼロ】」
メロウスの拳が優の脇腹にめり込んだ。
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