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「いいって別に。美歌が謝ることじゃないよ」
いつもと変わりない笑顔で優は言った。
「優の言う通りだよ。それに西条さんだって体負傷してるでしょ?」
医者に診てもらったところ、美歌も普段の数倍もの重力をくらっていたため体中の筋肉が疲労で弱っているようだった。
「でも……」
「いいからいいから!美歌は他人に謝りすぎ」
「……ありがとね」
ーー私も強くなりたい
ーーいつか優の背中を守れるように…
「ってか、浩介。お前スライアさんと会うの久し振りだろ?話しとかすれば?」
「ああ、大丈夫大丈夫。これから嫌ってくらい会話するから」
「え?」
「俺スライアさんに修行させてもらうんだ」
「そうなのか!?」
「んだよいきなり…?あのクソ悪魔にあれだけ力の差を見せつけられたんだ。俺だって悔しいんだよ」
「そ、そうか。そうだよな…」
「ま、安心しな。優が寝ている間に俺が一気にお前を抜いてやるからな~」
いつものおだやかな口調に戻った浩介は「そんじゃ!もう一眠りしてきます!」と言って病室を出ていった。
「私も行くわね」
「ああ。しっかり休めよ」
「うん。ありがと」
美歌が病室を出たのを確認すると優は再び眠りについた。
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