3人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
「あいつ、また一段と面白くなったな」
優の病室を出た優の父に話しかけたのはスライアだった。
「ああ。本当にたくましくなっていたよ。今日呼んだのはもしかしてこのためか?」
「そうだ。なあ、あいつを鍛えてやってくれないか?」
「何水臭いこと言ってるんだ?当たり前だろ?何せ俺の息子の頼みなんだ。聞き入れないわけにはいかない。だが、手を抜く気もないけどな」
「ははっ!そういうことは変わらね~なぁ」
「うるさいわ。そういうお前だって浩介君と修行すんだろ?」
「まあな。あいつには素質がある」
「ほう?お前がそれだけ言うんだ。いずれはお前を継ぐのか?」
「そのつもりだ。お前が優にトライデントを託したように」
「そうか。そうだよな。…ま、互いに頑張ろうや」
「あたりめーだ」
互いの拳をぶつけ二人はその場を立ち去った。
ただ、スライアは去り際に
「無茶すんなよ…大吾」
と呟いていたが優の父ーーー大吾の耳には届いてなかった。
最初のコメントを投稿しよう!