修行前夜

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「あいつ、また一段と面白くなったな」 優の病室を出た優の父に話しかけたのはスライアだった。 「ああ。本当にたくましくなっていたよ。今日呼んだのはもしかしてこのためか?」 「そうだ。なあ、あいつを鍛えてやってくれないか?」 「何水臭いこと言ってるんだ?当たり前だろ?何せ俺の息子の頼みなんだ。聞き入れないわけにはいかない。だが、手を抜く気もないけどな」 「ははっ!そういうことは変わらね~なぁ」 「うるさいわ。そういうお前だって浩介君と修行すんだろ?」 「まあな。あいつには素質がある」 「ほう?お前がそれだけ言うんだ。いずれはお前を継ぐのか?」 「そのつもりだ。お前が優にトライデントを託したように」 「そうか。そうだよな。…ま、互いに頑張ろうや」 「あたりめーだ」 互いの拳をぶつけ二人はその場を立ち去った。 ただ、スライアは去り際に 「無茶すんなよ…大吾」 と呟いていたが優の父ーーー大吾の耳には届いてなかった。
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