修行開始~強者の炎~

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「おい…舐めてんのか?」 「舐めてるかだと?自惚れるなよ」 炎がさらに一回り大きくなる。 「お前まさか俺に勝てるとか考えてないよな?」 「っ…!」 あまりの力の差に浩介は言葉が出なかった。 ーーだが、最初のあのスピードなら可能性はある。 浩介は前傾姿勢となスライアの方へと駆け出した。 それと同時にスライアも駆け出す。 「はあっ!」 「おら!」 足が交わるが力で押し負けてしまい浩介は壁へと飛ばされてしまった。 「どうした。そんなものか?」 「まだまだに決まってんだろ!」 すると今度はスライアが先制攻撃に出た。 スライアの上段蹴りは浩介を捉えたと思われたが間一髪のところでスライアの攻撃は空を切った。 そしてそれを狙ってたかのように浩介が蹴り上げを叩き込もうとするがーー 「どこ向いてやがる」 スライアは浩介の後ろにいた。 「なっ……!」 「炎華乱舞」 スライアが蹴り上げると同時に炎の薔薇が浩介の背中に突き刺さった。 ーー速すぎる…! 気がつくとスライアは浩介から遠い場所に立っていた。 ーーいつの間に!? 「なあ、お前そんなんじゃ本当に死ぬぞ?」 「………そんなこと分かってるよ」 「だったら本気で来いよ!何ビビってやがんだ!」 スライアの怒号が室内に響き渡った。 「俺は分かるぞ。お前がどうして本気を出さないのか。教えてやろうか?」 「……やめろ…」 「お前は怖いんだろ?力に飲み込まれるのが」 「やめ……ろ……」 「炎のディアブロアーマーは他の属性と違って力が膨大すぎるからな。使用者が未熟なら強大な炎に己自身が焼き尽くされちまう。お前はそれが怖いんだろ」 「やめろ……言うな…」 「お前は弱いんだよ。力をろくに扱えねえガキだ」 「それ以上言うんじゃねえ!」 浩介はいつもの穏やかな口調とは一変し、大声を張り上げていた。 「だからなんじゃねえの?優達が傷ついたのって。お前が弱かったからじゃねえの?」 「………!」 「あの時の経緯を俺は知らん。だが俺が駆けつけた時には優だけが戦っていた。まあやられそうになったから途中、加勢したが」 「………」 「お前のせいで優達は傷ついたんだよ」
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