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優が立ち去ってしばらくすると先ほどの悪魔達に見つかってしまい、再び逃げる羽目になってしまった。
ーーここなら誰もいないから力を使っても良さそうね。
意を決したのか、美歌は途中で振り返り腰の武器を手にとった。
「勝負よ!」
美歌は武器ーー刀を抜いた。
一本は刀身が黒の長剣。もう一本は小太刀。
美歌は複数の敵を回転斬りで斬り裂いた。
「私のディアブロアーマー、風華と凩の連撃についてこれるかしら?」
美歌の連撃に次々と悪魔が倒されていく。
だが数が多いため美歌は徐々に押され気味だった。
「数が多すぎる…!」
すると後ろから悪魔の一撃をくらってしまい、美歌はその場に倒れてしまった。
ーーあ、やばい。
ーー私、死ぬかも…
朦朧とする意識の中で声が聞こえた。
「西条さん?」
みるとそこには、優がいた。
「あんた、何やってんのよ!?」
「何って西条さんの声が聞こえたからここに来たんだけど……って…悪魔…」
ようやく状況を把握したのか、優はその場に立ち尽くしてしまった。
「早く逃げなさい!」
だが、優はピクリとも動かなかった。
ーー何やってんのよあいつ!
美歌は最後の力を振り絞り、凩を優を襲おうとする悪魔目がけて投げた。
それは勢いよく刺さり悪魔はうめき声を上げて消えた。
「今のうちよ!早く逃げなさい!」
それでも優は逃げようとはしなかった。
そして今度は一気に数体が優に押し寄せてきた。
「逃げて!優!」
美歌は必死に名前を叫んだ。
「西条さん」
落ち着いた様子で優は話し始める。目の前で悪魔が自分に攻撃しようとしてるのに。
「実は俺も悪魔狩りなんだよ。だから、俺は悪魔から西条さん……美歌を…守る!」
「……優」
優の瞳には強く決死て揺らぐことのない決意が感じられた。
悪魔から人間を守るという決意が。
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