修行開始~強者の炎~

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浩介は飛び出した。 修行を始めた最初の時に制御せず、壁に激突した時のスピードで。 「分かってるよ。俺が弱いってことくらい。俺のせいで優達が傷ついたことだって、全部分かってんだよ。むしろ分かってねえのはお前だよ」 「あ?」 「俺は強くなりたい。強くなってあいつらと共に戦う。そのためにわざわざ修行までして全力出してんだろうが!!」 「……だったら来い!お前の全力を俺に見してみろ!」 「そのつもりだ。この一撃に全てを託す…」 浩介は更に加速しスライアへと迫る。 「烈火鬼塵脚(れっかきじんきゃく)」 「獄.蒼炎蹴(ごく.そうえんしゅう)」 浩介の飛び蹴りとスライアの回し蹴りが交わり、衝撃の余波で室内がビリビリと震えている。 「うおおおおおお!」 「おらあああ!」 蹴りにはそれぞれ赤い炎、青い炎が纏われており、その炎が絡み合った途端、爆発が起こった。 土煙が立ち込める中、地面へと誰かが倒れ込んだ。 「ちくしょう……。やっぱ強えな」 倒れたのは浩介だった。 「言ったろ?お前じゃ俺を倒せないって」 ニヒヒッと笑った後にスライアは浩介の横にしゃがみ込んだ。 「合格だ」 「え?」 最初、スライアが何を言ったのか理解出来ず、浩介は首をかしげた。 「ほら、みてみろ」 そう言って浩介に肩を見せる。そこには服が焼け焦げて肌があらわになってる箇所があった。 「一撃くらっちまったらしい。だから合格だ」 「何だそれ……」 そう呟いた浩介は少し笑っていた。
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