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優達がメロウスと死闘を繰り広げてから3日後の朝、美歌はある店の前に立っていた。
そこは喫茶店『安らぎの風』。優と浩介が入り浸る場所でもあり二人のディアブロアーマーを整備してくれる一流の整備師がいる店でもあった。
ドアを開けるとカランカランと音がなる。
「はーい。今行くわよー」
遠くから女の口調をしたとても低い男の声が聞こえる。
店の奥から出て来たのは優達からマスターと呼ばれている男性だった。
「あら美歌ちゃん。おはよう。早いわね」
「おはようございます。今日から修行でしたので遅くなるのは失礼かなと思って…」
少し微笑みながら言う美歌はとても美しく綺麗で街を歩けばおそらくほとんどの男が振り向くと言っても過言ではないほどだった。
「んもう!美歌ちゃん可愛いわね!!ウチで働いて欲しいくらいだわ」
知らない人が見たら思わず走って逃げてしまうくらい気持ちの悪い笑みを浮かべて言った。
だが『安らぎの風』は喫茶店という名目なのだが、夜の客が非常に多く地域からは夜の店というイメージがついている。
無論美歌は未成年なため、そのような店では働くことが出来ない。
「ははは……考えておきます…」
と苦笑いしながら言い、話の途中で出されたコーヒーに口を付けた。
「それにしても私、こんな格好でよかったんですか?」
美歌は今、優から借りたジャージを着ている。
マスターに「運動しやすい格好で来てね」と言われたため美歌が持っている服は制服しかなく、仕方なく優から借りたのであった。
「ええ。別にそれで構わないわ」
「そうですか。それで修行って何をするんですか?」
「ふふ……それはね……」
不敵な笑みを浮かべてマスターはジリジリと美歌へと詰め寄った。
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