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美歌は武道場へと連れて来られ、目隠しをされてしまった。
「これで私から一本取ってね」
美歌は木刀を手にし、マスター木刀を構える。
「そんな…。急に…」
「はい。一本」
コツンと頭を軽く木刀でマスターは叩いた。
「痛っ!…マスター、これ無理じゃないですか?」
「何言ってるの?私なら簡単よ」
「ええー…」
明らかな疑いの眼差しをマスターへと向ける美歌。
「なら代わってあげるわ」
マスターは自分の目を隠し、再び構えを取る。
「はっ!」
下からの斬り上げをマスターは
横へと躱し、美歌の首元に木刀をあてる。
「これでもう一本ね」
「…っ!」
目隠しをを外したマスターは余裕そうな顔をしている。
「どうやって……?」
「風よ」
「風?」
「言ったでしょ?風は真実へと導いてくれる」
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