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「真実……」
美歌は自然と声を漏らす。
「そうよ。だからね、美歌ちゃん。風の流れを読んで。そうすればきっとできるわよ。あなたには私以上の素質があるわ」
「は…はい!分かりました!」
力強い返事をし、美歌は再び目隠しをする。
ーー風を感じる、か……
建物の中ではあるが隙間から僅かな風が入り込んでるのを美歌は感じとった。
「行くわよ…」
美歌にはマスターが木刀を構えたと察し、木刀を構える。
ーー風を読む。
ーー風を…風を…
美歌は風に少し変化が生じたのを感じ取りすぐさま後方へと、飛び退いた。
「いまのは良かったわよ」
だが、先程と同じようにマスターは美歌の背後にいた。
「今の感覚を忘れちゃだめよ?さ、もう一回やりましょ」
美歌は無言でコクリと頷いた。
かなり集中してるようでピリピリとした空気が周りを漂っている。
ーーこの子………もう風を読み始めてる……!
驚きのあまり、マスターは目を見開いた。
「…………」
二人はジリジリと少しずつだか距離を詰めていった。
「はっ!」
攻撃に出たのは美歌だった。
上段の攻撃をマスターは木刀を横にして防いだ。
そしてそのまま美歌の木刀を押し返し、横からの薙ぎ払いを放つが美歌は後ろへと飛び退き、それを躱した。
「ますます良くなってるわね。それじゃあ、ちょっとだけスピード上げるわね」
「お願いします」
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