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食事を終え、一休みということで二人はお茶を飲みながら談笑をしていた。
「美歌ちゃん、好きな人いるでしょ?」
「ふえっ?」
普段からは考えられないようなカワイイ声を漏らし、途端に美歌の顔は真っ赤になった。
「え!?それは…その……あの…えっと…」
いつになく慌てた様子を見せる美歌であったがその様子をマスターは微笑みながら見ている。
「うふふ。カワイイわね~。それで誰なの?」
まるで女子同士の恋バナのような楽しさが二人を包んでいるが片方は女口調の男なため、かなり異彩を放つ光景となっていた。
「えーと……その……言わなきゃ…ダメですか…?」
「ダメよ!ほらほら。浩介ちゃん?それとも、優ちゃん?」
美歌はさらに顔を赤くした。
「いや…えっと…」
「あら?この二人のどっちかなのね!?ますます気になるわ~」
マスターは体をくねらせて喜んでいる。
「あ、あの!私トイレ行ってきます!」
そう言って立ち上がり、美歌は武道場から出て行った。
「んもう!素直じゃないんだから……」
意地悪な笑みを浮かべマスターはボソっと呟いた。
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