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ーー……一撃一撃が重い…!
「ほらほら。美歌ちゃん、攻めなくていいのかしら?じゃないと勝てないわよ?」
マスターの攻撃を防ぎきれず、小太刀の木刀が弾かれてしまい美歌は長剣の木刀だけとなってしまった。
だが、マスターの攻撃の手は休むことなく繰り出される。
美歌は突きをかわしてすぐさまマスターと距離をとり、足元にあった小太刀を足を使って拾い上げた。
「はあっ!」
美歌は長剣の木刀で突きを出したが、マスターは木刀を上手く使い突きの軌道をそらした。
「もらった!」
逆手に持っていた小太刀を叩き込んだ。
「!!!」
小太刀がマスターを捉えた。
ーーーーだが、
「なっ……!!」
小太刀の一撃をマスターは木刀の柄の部分で防いだであった。
「いいじゃない。昨日とは比べ物にならないくらいにいいわよ」
楽しそうに言うマスターであったが、顔からは一切の余裕は感じられなかった。
柄で小太刀を弾き返すとマスターは後ろへ数歩、飛び下がった。
しばらく間が空いたが美歌が攻撃に出た。
「おっと」
横からの薙ぎ払いをかわしてマスターは振り上げの一撃を放つが小太刀で防がれた。
「ほっ」
それを狙っていたかのようにマスターは美歌の足に蹴りを入れた。美歌は体制を崩し、その場で尻餅をつきそうになった。
「っ…!」
美歌はなんとかバク転で体制を直しマスターに攻撃をしかける。
「「はあっ!!!」」
二人の声が重なった。それと同時に木刀も交わる。そしてそのまま二人は硬直状態へと陥った。
「ハア…ハア…なかなかやるじゃない…」
「ハァ…ハァ…マスターこそ…」
二人ともすでに肩で息をしている状態で額からポタポタと汗が垂れていた。
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