襲来

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「ほら急げ美歌。遅刻するぞ?」 「あ、うん。ちょっと待って」 ドアの開く音がし、部屋から制服を身につけた美歌が出てきた。 「お待たせ。行こ」 「ああ」 「「いってきまーす」」 「はい。二人とも行ってらっしゃい」 優の母に見送られ二人は学校へと出発した。 「そういや、美歌。お前修行してたって聞いたけど本当か?」 「うん。メロウスが言ってたでしょ?次は仲間を連れてくるって。だから…」 「…そうか。んじゃ、次は頼むぞ」 そう言って優はポンと美歌の頭に手を置いた。 「う…うん」 ーーど、どうしよう… ーードキドキしてきた… マスターに好きな人がバレテから美歌は優を時々だが意識するようになってしまった。 ーー大丈夫……大丈夫… 「おはよーさん!」 後ろから優と美歌に抱きついてきたのは浩介だった。 「この……変態!!」 「グフぇ…」 美歌の肘打ちが浩介のみぞおちへと当たった。 「流石だな西条さんのツッコミは…」 「お前バカだろ…」 呆れたように優が呟いた。 「ん?お前、何で焔履いてんだ?」 「ああ。いざという時にすぐに戦えるようにな」 「そうなのか。そういやお前、スライアさんから修行してもらってたんだろ?」 「まあな。おかげでかなり強くなったぜ」 浩介は親指を立てて言った。 「そういう優だって親父さんから修行してもらうんだろ?」 「………」 「あれ?……どしたの?」 「優のお父さん、二日酔いで寝てるのよ」 優の代わりに美歌が言った。 久々に家に帰ってきた喜びで一日飲んでいたのだった。 「だから、トライデント使って水を操るくらいしかやってないんだよ。それで…」 「…それで?」
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