覇者の力

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「デビアーー!大丈夫ー?」 遠くからティマがデビアを呼ぶ声がする。 「あー。大丈夫だー」 手をヒラヒラとしながらデビアは返事をする。 「…ティマ」 「なーに?」 「やれるか?」 「もっちろん!」 ティマの元気な返事を聞いて、デビアはよろつきながらも立ち上がった。 「確か…コウスケとか言ったな?」 「ああ」 「気に入った。だから…」 喋りながらデビアとティマは手足に着けていた拘束具を外す。 「俺らも本気でやってやるよ」 拘束具の中からは悪魔と同じ手足があった。拘束具が外れた途端、二人の周りに魔力の瘴気が溢れ出た。 「……」 だが浩介は動揺することなく敵の動きを注意深く見ていた。 「突っ立ってるだけってんなら…」 言い切るよりも早くデビアは飛び出した。 「こっちから行くぜ!!!」 ーースピードは変わらない。 ーーとなると力がどうなるか… 浩介は敵の能力を知るために後ろへと飛び退く。 「へっへー。甘いよおにいちゃん」 お兄ちゃん呼ばわりされた浩介が後ろを振り向くとティマがいた。 ーーこっちはスピードが上がるタイプか!? 「えいっ」 ティマは両手を前に突き出す。 するとティマの手から巨大な炎が放たれた。 「紅蓮火龍」 浩介は炎の龍で相殺させた。 「どこ向いてやがんだ」 気がつくと浩介の背後にデビアが足を高く上げていた。 「おらあっ!!!」 悪魔と同じものとなっている足が浩介の肩に振り下ろされた。 肩に当たると同時にバキッという音が鳴る。 「ぐああああっ!!!」
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