覇者の力

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浩介の叫び声が響いた。 「ハア…ハア…ハア…」 今の一撃で浩介はかなりダメージをくらったらしく、肩を抑えながらやっとのことで立っていた。 「なんだ……?その足は……」 「これか?これは俺たちが深淵に堕ちた時にこうなっちまった。俺らはこれを深淵の罪【アビス】と呼ぶ」 アビスと化している手足を動かしながらデビアは言った。 「俺のアビスの能力は攻撃時威力倍増。そしてティマは…」 「全属性の魔力攻撃が出来るよ!!」 デビアの言葉に続くようにしてティマは言う。 「……一つだけ聞きたいことがある…」 「あん?なんだ?」 「お前ら、なんでそんな平気なんだ?」 「……どういう意味だ?」 「お前ら自分の体がそんなことになってんのになんとも思わねえのかよ?」 「……確かに。こんな体になったら気が狂ってもおかしくねえよな……。でも…俺は一人じゃない。こんな体になって辛い時もあったがそんな時にはいつも…こいつらがいた」 デビアはティマの頭に手を置いて優しく撫でる。 「だから誓ったのさ。俺らをこんな体にした奴らに復習してやると。その手始めとして…お前を殺す!!」 ティマの周りからたくさんの岩石が地上から現れ、やがてそれらの岩石は一つとなり巨大な人の形となった。 「アイアンゴーレム」 ゴーレムは走り出し、浩介へ拳を振り下ろした。 「ノロいよ」 浩介はゴーレムよりも高く飛び上がって攻撃をかわした。 「鬼炎蟷螂」 炎を纏った踵落としがゴーレムの頭に直撃する。 ゴーレムは破片となって砕け散った。
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