覇者の力

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メロウスの髪が白銀から漆黒の髪となる。 「うおおおおおっっっっっ!!!!」 「くっ……!」 メロウスの重力を纏った攻撃をなんとか防ぐが優は防戦一方だった。 「神殺し【グラビティゼロ】」 メロウスの掌底が直撃する。 「ガハッ……」 壁にめり込み優はついに動かなくなってしまった。 ーーくそっ…。強すぎる。 ーー俺じゃ敵わない…のか…? メロウスはゆっくりと近づきトドメを刺そうとする。 ーーーが、 「炎華乱舞」 炎の薔薇がメロウスを襲う。 「…!」 そして気がつけば優は消えており、代わりに優を抱えた浩介と草薙を構えた美歌がいた。 「スライアの技覚えておいて良かったぜ…」 「優大丈夫!?!?」 「貴様ら…何故ここにいる!?」 焦りの表情を隠すことなくメロウスは大声を張り上げる。 「何故って…決まってんだろ?俺はティマとデビアを」 「私はシャーナとシオンを倒してきたからよ」 続くようにして二人は言った。 「あいつらが……!?まさか…」 「安心して。命まではとってないわ」 「そうか…。そこだけは礼を言おう」 少しホッと笑みを浮かべてメロウスは言った。 その表情を見て浩介は目を細める。 「そういう表情だけ見ればホント、ただの人間と変わらないな」 「俺はもう人間ではない。身も心も悪魔だ。だから……」 狂気に満ち溢れた瞳をさらに大きく開く。 「お前らを殺すことだってできる!」 「だからさせねえって言ってんだろ!」 メロウスの攻撃を受け止めたのは優だった。 トライデントで厚い水の壁を作りメロウスの攻撃を防いでいる。 「西条さん!俺らも加勢しよう」 「そのつもりよ!」 浩介は炎を美歌は風を操り高速で駆け出す。 「紅蓮火龍!」 紅の炎に包まれた龍が放たれる。 「神落とし【グラビトンドロップ】」 水の壁への攻撃を休めることなくメロウスは炎の龍を消滅させる。 「草薙流壱式……」 空中で浩介の足に乗っている美歌が抜刀の構えを取る。 「おらあっっっ!」 勢いよく蹴りを放ち美歌はメロウスの方へと飛ばされる。
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