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銀時は一瞬自分が何をされてるのかが分からなかった。が、やがてキスされてると分かると慌てて土方の胸を押し離れようとする。
「…嫌なら俺が居ない間に帰ればよかったんだ…。」
銀時を再び引き寄せ腰に腕を回すと目を見つめる。
「…ちょっ…離せよ!」
離れようとする銀時の唇を塞ぐ。「……!」
押し退けようと暴れる銀時。
そんな銀時を押さえ込むように背中に手を回し、激しく口付ける。やがて力が抜け抵抗を止める銀時…いつしか銀時の腕が土方の背中に回されていた。
唇を離すと赤くなり惚けた銀時が土方の胸に倒れ込む。
そっと銀時の肩を掴むと身体を引き離す。
「…どうしても嫌なら…奢った飯代今すぐ返せ。」
銀時がぐっとなる。
「…今すぐは無理だ…。」
銀時が顔を逸らす。
「…ならヤらせろ…!そしたら飯代はいらねぇ。」
「………」
銀時が暫く考え込む。
「…お礼…他のことじゃ駄目なのか?」
「…お前が欲しいんだ。」
間髪入れずそう言う土方に銀時が真っ赤になる。
「やっ…でも…俺…男だぞ?正直男なんかとヤったってつまらねぇだろ?」
そう言って少しずつ後ろに下がる銀時。土方が銀時の腕を掴む。
「男だからとか関係ねぇ。俺はお前としたいんだ。」
真剣な顔でそう言われ銀時の気持ちが揺らぐ。
(…んな顔で見るなよ…俺、可笑しくなりそうだ…!)
銀時は頭を振ってから土方の腕を振り解く。
「…やっぱ駄目だ!…お礼の件は無し!」
そう言って立ち去ろうとする銀時に土方がため息をつき一言。
「……そうか…怖いか。」
その台詞にカチンと来た銀時。土方を睨む。
「ばっ…馬鹿言うなよ…こ、怖くなんて…!」
土方がクッと馬鹿にしたように笑う。その態度が銀時を益々苛立たせる。
「…いいぜ…分かった…身体で払ってやるよ…!」
そう言うと着ている着物を脱ぎ始める。その様子をジッと見ている土方。
「…んな見てんなよ…!」
土方の視線に耐え切れず後ろを向く銀時。羽織っていた着物を脱ぎ捨て下の黒い上下だけになった時土方が後ろから抱き締めてきた。「…それ以上はいい。脱がす楽しみがなくなる。」
耳元で囁かれ銀時が赤くなる。
すっと離れた後、肩を掴んで自分の方に向かせる。暫く見つめた後顔を近付ける…が、銀時に手で遮られる。
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