頭角のドラゴン

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「面白いもの……?」 その言葉の意味を理解しかねた俺は、富片さんに聞き返した。 すると富片さんが説明をしてくれた。 「実は私は貴方のデュエルを何度も拝見させて頂いていました。」 「俺の決闘を?」 「はい。昼矢君との決闘をさせたのも私ですから」 俺がそのまま聞き返すと、富片さんはそんな事を告げてきた。 あの決闘は富片さんが仕掛けたものだったのか……。 まぁそれに関しては、昼矢とは仲良くなれたし文句は無いけどさ。 「そして、天佳さんとの決闘も続けて観させていただいたんです。その際に、私は天佳さんから感じたんですよ」 「都市長の勘ってヤツだね!」 怜衣乃が富片さんに向けて言うと、富片さんはコクりと頷いた。 ……要するに、富片さん自身も何を感じたのか分かってないって事か。 「……じゃあ、それをどうして教えてくれなかったんですか?」 続けて俺が次の質問をすると、富片さんはバツの悪そうな顔をした。 「それに関しては謝ります。教える為の時間の余裕が無かったのが事実です。なので天佳さんに伝えるように言ったつもりだったんですけれど……」 「あれ、そんな事言ってたっけ?」 都市長(と怜衣乃)の言葉を聞いた俺は納得しつつも、その言葉が本当なのか疑った。 果たしてこの人を信じて良いのだろうか……?
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